ダメだ、ここでタイムオーバー。もう駅へ向かわなければ、確実に帰りの電車に乗り遅れる。今度こそ巡回バスに乗って楽チンに帰ろう…と思ったときに、前方に赤いド派手なバスが!!!待ってくれーーーー!!!乗せてくれーーーー!!!と何年かぶりに全力疾走の三人。その時!勢い余って、S嬢がつんのめってコケた!しかし、彼女は強かった。すぐに体勢を立て直し、めげずにバスに向かって全力疾走。…はー、よかったー、なんとかバスに乗れたー。これで駅の一番近くまで乗せて行ってもらえるねー。これでゆっくり電車に間に合う。S嬢、こけたとこ大丈夫?なんて和やかにやりとりしていたら、何か嫌な予感。これは…これは…駅の最寄のポイントを止まることなく通過して、街の最果ての地、アン・ハサウェイ(シェイクスピアの奥さん)の家に向かってないかい???巡回バスの地図を見直しても確実に駅から遠ざかってるー!えー!えー!えー!タイム・オーバー、と確信した時点でもう行くことを諦めたアン・ハサウェイの家、しかも街の最果ての地。バスですら結構な距離を走ったから、これを人間の足で引き返すとなると…いかん、いかんです、絶対に電車に間に合いましぇーーーん!!! ♪走る〜走る〜俺達〜…なんて歌ってる場合ではないのです。バスで来た道をひた走り戻り始めたが方角を見失う。ワタシのカバンにつけてたちっちゃな方位磁石で方角を確認すると全く反対方向に走っていることが発覚。周りの景色は完全に観光地とは違い、普通の人の住宅地っぽい。アカン…間に合わへん…。そこへ通りかかった現地の女子高校生(?)に「駅はどっち?」と聞いてみる。「ウソ、このチビッコ・ジャパニーズはここから駅まで歩いて行くの?」と内心唖然としただろうに、「nnn…O.K.…」と現地人しか知らないような最短距離で駅まで行ける不思議な道を丁寧に教えてくれた。とにかく走る走る。走れメロス。細い抜け道を通り抜けるとそこは、学校の広大なグラウンド。完全観光地化された街かと思っていたら、ちゃんと普通の人が生活する街でもあったのね。それにしてもこんな素敵な学校に通ってみたい…なんて呑気なことを考えている場合ではぬぁい。頭をパッと切り替えとにかく走らなければ!グランド脇の道を通り抜け、道路に出る。あ、ここ、バスで通った道だ、駅は近い!最後の上り坂を駆け上がり、なんとか駅に滑り込みセーフ。はぁぁぁぁぁぁ〜、あの親切な女子高生達、ありがとうよぅ、日本の空の下から感謝してるよぉ。 …はぁぁぁ、思い出して書いているだけでも息がきれてきた。とりあえず、バスから撮ったであろう、シェイクスピアが通っていたというグラマー・スクールの写真と、走ってる最中に撮った、シェイクスピアが晩年を過ごしたというナッシュの家の写真も載せておきます。 次行く時は、絶対リベンジ!ストラトフォード!ストラトフォードに素敵なホテルもあったので、もうそこで泊まって、今度はロイヤル・シェイクスピア劇場のほうでRSCの劇も観よう。買い物もいっぱいしたい。親切なのか不親切なのかのバスは…バスは…使うかどうかは分からない…。 |
電車 : ロンドンPaddington駅から約2時間10分のStratfrod-upon-Avon駅下車。電車の本数が1時間にそう何本もあるわけではないので、ロンドンを出発点にする場合は時刻表をチェックしておくことをオススメします。 バス : ロンドン・ビクトリア・コーチ・ステーションから約3時間。 |