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第2話 巻き巻き!シェイクスピアの故郷を訪ねて!の巻



◆だって、滞在時間、3時間ってアンタ…◆

  もそも、そんなことになった原因は、その前々日くらいに朝から行ったオックスフォードが予想外に良かったから。急遽、今回の旅行のメイン・エベントと言っても過言ではない、「シェイクスピアの故郷、ストラトフォード・アポン・エイヴォンへ行く」のは別の日にしよう、とスケジュールを土壇場で変更したから。その予想外に良かったオックスフォードの話はまた別の回にするとして、ワタシ達はロンドンにあるホテルの一所に居を構えて、そこを拠点にいろんな所へ観光に行っていたので、ちょっとストラトフォードへ…そして次はどこどこへ…なんて“おのぼりさん”観光計画を立てていると、日本で言うと“TOKYO”を拠点に「じゃあ、名古屋へ、その次は奈良へ、そして京都も周って…」状態になってしまうのです。イギリスといえど、広い広い、ストーン・ヘンジはおろか、プーさんの森も、ピーター・ラビットの故郷へ行くことも、エディンバラ城も、グリニッジ天文台で時計をピッタリに合わせることも、1回やそこらの旅行では無理なのでぇす!

『世界の車窓から』風。   ストラトフォードに行こうとした日は、夕方からロンドンで『ライオン・キング』を観る予定。ホテルのインフォメーションの素敵なジェントルマンなお爺ちゃんに時刻表を見てもらうも、お爺ちゃんも困り顔。「あんたら、マジでストラトフォードに行って帰って、夕方に『ライオン・キング』見る気なん???」とでも言いたかろうに、お爺ちゃん、終始にこやかで懇切丁寧に電車の時間を教えてくれました。良い人だったなぁ。…結果、ストラトフォード滞在時間は最高でも3時間ということに…。そんなぁ…。

なんの変哲もない駅   そして、ロンドンを少し離れると景色はすぐに『世界の車窓から』風な、のどかな景色になります。遠くには馬や牛が“普通に”放牧されていて、半端に街に住んでいるワタシ(←言わせといたって)にとってはホォーッと心が伸びやかになる風景。ロンドン・パディントン駅から電車に揺られて約2時間10分(←ホラ、東京−京都間とそれほど変わらないでしょ!)、ストラトフォード・アポン・エイヴォン駅に到着。

プップカプー

◆♪バスバス走る〜バスバス早い〜は良いけれど…◆

  与えられた時間は、3時間、とにかく要領良くポイントを押さえて周らなければならない。そこで、A姫の経験を活かして、シェイクスピアゆかりの見所を15分〜20分ごとに巡回していて、どのポイントでも乗り降り自由のバス(£8.50)を利用することに。東京ディズニーランドもまず一番奥の“スプラッシュ・マウンテン”から攻略するように、ワタシ達はまず街の一番奥にある、そのバスの出発点までズンズンズンと歩いて行くことにした。結構な距離はある。街はシェイクスピア一色…っちゅーか、ぶっちゃけた話、ワタシが想像していたよりちょっと観光化されすぎているような気もして気持ち悪いくらい。京都で言う所の嵐山あたりか…。なんせ、シェイクスピアゆかりの家5ヶ所周ったら割引になるなんてチケットもあるほど。いや、ワタシ達には5ヵ所も周っている時間はないのですよ。とにかく。

  やれやれ、シェイクスピアの顔のイラストが横の面に描かれたド派手なバスにも乗れたことだし、これで一安心、天気も良いから天井の開いている2階へ登っちゃえ…って登ったのが間違いの始まりだった。ガイドのオジサンが2階へ上がる階段付近に立って何やら説明しだす。「あーここって、シェイクスピアの家じゃ…」なんて思ってると、誰も降りる様子もない。そしてバスも走り出す。え?えー!?これって何かおかしくない…?と気付いた時はもう時すでに遅し…。こりゃいかん、方針変更、下の階へ降りて、すぐにバスから降りれる位置にいなければ!そして、ゆかりの地巡りの順番も変更だ!

トリニティ教会   とことん調子が狂い、とりあえず、街の外れのほうにあるホーリー・トリニティ教会で降りることにした。シェイクスピアが生まれた時に洗礼を受け、そして亡くなって葬られている教会。エイヴォン川のほとりで静かにたたずむその姿はさすがに「ほほぅ」と感心。だが、商魂たくましい。教会内、半分までは無料で入れる。その先、シェイクスピアのところまで見に行こうと思うと£1払わないと進めない仕組み。いや、払いますよ、払いますけどさぁ、ここくらいタダで入れてくれたって…皆の教会なんだからさぁ。
逆光気味ですが 緑に包まれて もちろん普通の人のお墓もあります
シェイクスピアの似顔絵の描かれたド派手なバス
かわいらしい街並み
街の一番奥のガイドセンターみたい所からの風景
お花がそこかしこに飾られています

プップカプー

◆なんとしてでもシェイクスピアの生家に行かなければ!◆

かわいい地図なんだけど
ここだここだ
写真で見たことあるぞこの外観
  そこからがまた大変すぁ〜(←ちょっと沖縄訛りで読んで下さい)。なんせ、バスに良いようにされたワタシ達は街外れのトリニティ教会まで来てしまっている!次にバスが通りかかるのを待つのもいいが、バスが行ったばっかりなのか、これから来るところなのか、見当もつかない。親切に観光客用の地図が貼られていても、分かっているのは街外れにいるってことだけ!とにかくここまで来たなら、シェイクスピアの生家を見ずには帰れないでしょう。時間がない。走らない、走ります、走るとき、走れば、走れ!来るか来ないか分からないバスなんて待っていられないワタシ達は走ることを選んだ。めざせシェイクスピアの家!やっと街の中心地に辿り付いた。観光客でいっぱい。シェイクスピアの家、ここでも商魂たくましい。とにかく、どこに入るにしてもお金のいるところなのだ、観光地ってヤツは。せっかくシェイクスピアの家に着いたはいいが、時間も気になって、観光も気もそぞろ。家の中の部屋も周り、素敵なお庭にも“後ろ髪引かれ隊”だけどもとにかく先を急ぐ。出口に家2軒分ほどあるくらいのお土産ショップ。シェイクスピア・ファンとしてはひとつひとつ手にとってみたいほど目が回る品々。それすらじっくりと見る時間がないのよーん。これじゃヘビの生殺しー。ワタシが呆然としながら店内をウロウロさまよっていると、三人寄ればなんとやら、A姫とS嬢が手分けして“Twelfth Night”に関わりのある絵葉書等々を発見しワタシに有無を言わさず手渡してくれた。サンキュ。S嬢の動体視力はこんなところでも活かされる。

思い出のチケット 庭から家を眺める

プップカプー

◆そしてまたバスにしてやられる!◆

  ダメだ、ここでタイムオーバー。もう駅へ向かわなければ、確実に帰りの電車に乗り遅れる。今度こそ巡回バスに乗って楽チンに帰ろう…と思ったときに、前方に赤いド派手なバスが!!!待ってくれーーーー!!!乗せてくれーーーー!!!と何年かぶりに全力疾走の三人。その時!勢い余って、S嬢がつんのめってコケた!しかし、彼女は強かった。すぐに体勢を立て直し、めげずにバスに向かって全力疾走。…はー、よかったー、なんとかバスに乗れたー。これで駅の一番近くまで乗せて行ってもらえるねー。これでゆっくり電車に間に合う。S嬢、こけたとこ大丈夫?なんて和やかにやりとりしていたら、何か嫌な予感。これは…これは…駅の最寄のポイントを止まることなく通過して、街の最果ての地、アン・ハサウェイ(シェイクスピアの奥さん)の家に向かってないかい???巡回バスの地図を見直しても確実に駅から遠ざかってるー!えー!えー!えー!タイム・オーバー、と確信した時点でもう行くことを諦めたアン・ハサウェイの家、しかも街の最果ての地。バスですら結構な距離を走ったから、これを人間の足で引き返すとなると…いかん、いかんです、絶対に電車に間に合いましぇーーーん!!!

  ♪走る〜走る〜俺達〜…なんて歌ってる場合ではないのです。バスで来た道をひた走り戻り始めたが方角を見失う。ワタシのカバンにつけてたちっちゃな方位磁石で方角を確認すると全く反対方向に走っていることが発覚。周りの景色は完全に観光地とは違い、普通の人の住宅地っぽい。アカン…間に合わへん…。そこへ通りかかった現地の女子高校生(?)に「駅はどっち?」と聞いてみる。「ウソ、このチビッコ・ジャパニーズはここから駅まで歩いて行くの?」と内心唖然としただろうに、「nnn…O.K.…」と現地人しか知らないような最短距離で駅まで行ける不思議な道を丁寧に教えてくれた。とにかく走る走る。走れメロス。細い抜け道を通り抜けるとそこは、学校の広大なグラウンド。完全観光地化された街かと思っていたら、ちゃんと普通の人が生活する街でもあったのね。それにしてもこんな素敵な学校に通ってみたい…なんて呑気なことを考えている場合ではぬぁい。頭をパッと切り替えとにかく走らなければ!グランド脇の道を通り抜け、道路に出る。あ、ここ、バスで通った道だ、駅は近い!最後の上り坂を駆け上がり、なんとか駅に滑り込みセーフ。はぁぁぁぁぁぁ〜、あの親切な女子高生達、ありがとうよぅ、日本の空の下から感謝してるよぉ。

  …はぁぁぁ、思い出して書いているだけでも息がきれてきた。とりあえず、バスから撮ったであろう、シェイクスピアが通っていたというグラマー・スクールの写真と、走ってる最中に撮った、シェイクスピアが晩年を過ごしたというナッシュの家の写真も載せておきます。

  次行く時は、絶対リベンジ!ストラトフォード!ストラトフォードに素敵なホテルもあったので、もうそこで泊まって、今度はロイヤル・シェイクスピア劇場のほうでRSCの劇も観よう。買い物もいっぱいしたい。親切なのか不親切なのかのバスは…バスは…使うかどうかは分からない…。
行くはずじゃなかったのに、アンの家、一応パチリと一枚
たぶんこれがグラマー・スクール
ナッシュの家
入れるもんなら入りたい

プップカプー

◆おまけ そして夕方の『ライオン・キング』◆

  『ライオン・キング』、何回観るんだろ?少なくとも日本で2回は観てる。でも、今度はヤング・シンバだって外人の子供だもんね。当たり前だけど。会場の前に着くと、リムジンが横付けされた。ドレスアップした御婦人がおりてくる。くぁぁぁ、やっぱり劇場ってのはこういう風にして観に来るものなのかぁ。A姫が予約しておいてくれたチケットを引き換えてもらうとなんと、前から2列目のド真ん中。いいいいいいんですか?こんな日本くんだりからホイホイやってきた、どこの馬の骨とも分からない輩がこんな席で。リムジンで来てないですよ?

  さすがに、2列目効果もあってか、悪いけど日本のとは全然声量も迫力も違う!チビ・シンバもチビ・ナラもかわいいし、なんせ上手すぎる!嗚呼、やっぱり無条件に楽しめるわぁ。
  でも、わがままを言うと、グローブ座の“Twelfth Night”がもう一度観たかったなぁ。 会場、気分が盛り上がります 場内。ゴージャス。手ブレがこわいけど。 壮観。 思い出のチケット

プップカプー

◆ストラトフォード・アポン・エイボン(Stratfrod-upon-Avon)へのアクセス方法◆

  電車 : ロンドンPaddington駅から約2時間10分のStratfrod-upon-Avon駅下車。電車の本数が1時間にそう何本もあるわけではないので、ロンドンを出発点にする場合は時刻表をチェックしておくことをオススメします。

  バス : ロンドン・ビクトリア・コーチ・ステーションから約3時間。

※また思い出したら、書き足して行くかも※
katsuo3@yahoo.co.jp