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第1話 ロンドン・グローブ座に『十二夜』を観に行く!の巻




◆グローブ座だよ、おっかさん◆

これこれ!これがグローブ座だよ!
今回の告知ポスター
裏門
 ちょっと野暮用があったのでテムズ川対岸のBANK駅から、待ってました今回の旅行のメインイベント、Shakespeare's Globeに向かうことになりました。それにしても、BANK駅ってのはその名のとおり金融オフィス街でして、襟がパリッとしたカッコイイ金髪ビジネスマンが颯爽と歩いていく通勤風景。日本の襟もヨレヨレ、ドンヨリ疲れたオジサン達が歩いているのとは雲泥の差。ホェーとしばし言葉を失って目移りしながら見とれてしまったよ。そんでもって全然関係無いけど、ロンドンの街はよく“smart”が走っていた。あのベンツの会社から出てるヤツ。日本で見かけると、うわっ、もったいなっ!って思うのにな。

 そしてそして、川を渡り川沿いに歩いて行くと、つ、ついに到着グローブ座!これよこれよ、これなのよ。感激の汁が体中を駆け巡りました。表玄関というか、正しい入り口は普通の建物なので、川沿いに裏側に回ると見えました、思い描いていたグローブ座が。今季の出し物のポスターも貼ってありました。“Telfth Night”と“Midsummer Night's Dream”を演っています。『夏の夜の夢』のほうも見たいくらいだな。そして、裏門はよぉーく見ると門の飾りの部分に虫や動物やお面やなんじゃかんじゃとついていて、こんなとこでも力抜いてないなって感じ。

プップカプー

◆グローブ座見学ツアーに参加する◆

 Shakespare's Globeの建物的に言うと、裏口、というか、グルッと回りこんだ横の入り口にエキシビションの入り口があります。そこから入ってグローブ座内見学ツアーに申し込みます。出発時間が区切ってあって、その時間が近づくと鐘をガランガランと鳴らしてツアー出発口に集まるように呼んでくれます。

 ワタシ達一向は時間までとりあえず展示場のほうをサラッと予習しておくことに。ぬおぉぉぉぉっ!!! まさにシェイクスピアリアンなら白飯で4,5杯はいけそうなくらい、半日は潰せそう!(←なぜ大きく一日と言わない?表示が英語だからか?)見て回ってると真ん中の広場になったところのステージでいきなりフェンシング練習(?)が始まるし、舞台メイクを施してくれる体験コーナーもあるみたいだし、なんだかワクワクしてくる。そうこうしているうちに見学ツアーの時間が近づいてきた。イソイソと集合場所に行って待つ。しばらくしてガランガランと鐘を鳴らして皆がワラワラと集まってきた。なんだ、時間を気にしてイソイソしなくたって呼んでくれたのか。(←実はここで初めて気付く。)

 そして英語で話してる内容が全て分かったような顔をして、ガイド役のお姉ちゃんについて行くといよいよグローブ座の内部へ。うぉぉぉぉぉぉ。感動。ここだよここだよぉ。映画『恋に落ちたシェイクスピア』みたいだよぉ。こうして舞台の天井とか見ると(写真2枚目)なんだか日本のお寺の屋根部分みたい。小学生時代に写生大会で地元の寺に連れて行かれて描くのが難しかった“あの”部分。天井画なんかも凝ってます。そして観客席部分の屋根は萱葺き。なんか和風、遠くない物を感じます。なんかガイドのお姉ちゃんの話では火事にならないようにスプリンクラーがちゃんと付いてるとかなんとか…フニャフニャフニャ。こんな見学者がワラワラといるのに、舞台の奥では着々と公演の準備が進められている模様。衣装なんかをダララーとハンガーに吊るして運んでた。さすが、屋根が開いてるというか、半屋外型舞台だけあって、けっこう寒い。そしてハトも知らずに入ってくる。知らずに入ってきて驚いて行き場をなくしてオロオロしてる様子まで見える。こんなとこ、雨の日とかカンカン照りの日とかどうやってるんだろう。
エキシビションの看板
舞台の天井
萱葺きの屋根

思い出のチケット


プップカプー

◆いよいよお待ちかねの『十二夜』です◆

内緒でシャッターをきる
内緒でシャッターをきる
内緒でシャッターをきる
 開演までに腹ごしらえ、と入ったグローブ座向かいのスターバックスコーヒー。そこで食べたエッグ&ベーコン・ホットサンドが激ウマ。中に黒いキノコが入っていてそれがかなり良いお味。なんだろう?シイタケでもないし…と思っていたらマッシュルームでした。世界中どこでもマク★ナルドはあるなぁ、と思っていたけど、ロンドンでは3歩歩けばスタバともう1個のサンドイッチ屋さんに当たるくらいはある。紅茶の国なのに。

 なんとワタシ達の席は舞台向かって右の2階のBOXシート最前列かぶりつき!!! 他の所とは椅子も違うので、貸し出しているお座布団も簡易背もたれも必要無し!それにしても寒い。風がビュービュー入ってくる。ザワザワとした場内、真下のヤードに学生達がレポート用紙持って観に来てたりしてるのを観察してると、なんとはなしに古風な衣装をつけた人が出てきて舞台袖のロウソクに火を灯し始めた。緞帳も何もない開きっぱなしの舞台だから、な〜んとなく劇は始まるのです。
 そしてこの日はちょうど9月11日でもあったので、劇の前に白い人がトコトコと出てきて、一年前のN.Y.テロ事件の犠牲者に対しての黙祷の時間がありました。そうだ、去年はそのせいでハワイに行けなかったんだ…黙祷。(←ひきずるタイプ) 神聖なひととき。

 今回の“Twelfth Night”は、出発前に耳にしていたとおり、全員男性キャスト、古楽器による生演奏、と昔ながらの本来の形での劇。こんなのをこんな席で観ることができるなんて、なんてワタシはラッキーなんだろう。神様も去年のハワイの穴埋めにちゃんと用意しておいてくれたのかな。(←やっぱりひきずるタイプ)
 オーシーノーが出てきて「If music be the food of love,…」と始めた時には全身シビれてチビリそうになった。(寒かったからじゃないよ。) ワタシ達のオーシーノー様もたいがい“おっとこ(男)前”だったけども、こっちのオーシーノーの声のトーン、響きはすざまじきかな。ヴァイオラが出てきて、うげげ男っ!と思ったけどもシザーリオに変装して見ているうちになんだかかわいらしい。マライアもキュートだし、オリヴィアもなんか良い味出して笑いをバンバン取ってる。これって、吉本新喜劇でさんざん桑原和男さんの“おばちゃん”(その前は木村すすむさんの“おばあちゃん”)を見て慣らされてるせいかな。違和感がない。さすがにヴァイオラとセバスチャンは若いキレイどころが揃えてあるのかメチャメチャかっこいいです。セバスチャンなんてよく見りゃ窪塚風よ!でもどちらも長髪で貴族服を着てるから“タカミー王子(@アルフィー)”風なのははずせない。

 何が違うって、アンタ、本場はやっぱり観客の“ノリ”が全然違う!!! マルヴォーリオやアンドリューやトービーなんかの絡みのシーンで笑う笑う、手ェ叩きながらドワーッと笑う。マルヴォーリオがニセラブレターを読んだだけで大拍手が起こる。そんでもって黄色い靴下に十字の靴下留めをして出てきた時にはもう…! 日本だとどうしてもチンマリとお行儀良く座って観て、最後にだけワーッと拍手って感じだけど(宝塚は別として)、イギリスじゃ、観客が役者を乗せ、役者も観客を煽りってのが当たり前田のクラッカーなのねん。これじゃ、まるでロックコンサートのよう。
 あぁ、それにこれだけはワタシ達にはどうしても超えられない、セリフがこっちの人はこっちの言葉なんだもんね。微妙な間合いとか言葉のニュアンスを上手く使ってる。これはワタシ達の“Twelfth Night”には再現しつくしきれなかったな。ま、しょうがないけど。もう1回やらしてくれるなら今度はその辺に力入れて…なんてね。

 ちょっと懐かしくもあり、そうして本場との違いも感じ、多いに堪能した“Twelfth Night”の時間はあっという間に過ぎ去ってしまうわけで…。最後のフェステの歌“When that I was”はワタシ達のフェステのバージョンとフシが違ったのでそれだけが少し残念だった。(←厚かましい)歌はウチのフェステちゃんのほうが断然魅力的だったわ!

 あ、そうそう、忘れちゃいけない、なんと、この本家の“Twelfth Night”の舞台でも柱にツタが巻きつけてあったんだよ!やったのはワタシ達のほうが先だ!も、もしや、真似された???

プップカプー

◆こんなもの見つけました〜グローブ座土産編◆

 博物館・美術館等のショップもたいがい普通では売っていない面白い物が並んでいて、たいていそっちにいるほうが時間が長くなってしまうのですが、グローブ座内にあるショップはこれまたシェイクスピアリアンなら欲しくなるようなものがいっぱい。どうやって持って帰ろうか、ポスターなんかも売ってます。

 ワタシが間違えてドイツ語のガイドブックを買ってしまったことは伏せとくとして、ポストカードやかわいらしいマグカップなどをお買い上げ〜。そこで見付けた物が写真下。オススメです。そう、シェイクスピア作品が年代順にビッシリと書かれた木製定規。裏に「忍耐」とか「努力」とかは書かれてないのでご安心を。ちゃんと定規になってます。あぁ、学生現役時代にこれを持っていればテストの時に…なんて良からぬことをすぐに考え付いたのはワタシだけか?
かわいいでしょ
コップの裏側にはグローブ座の絵 なんだこれは? もうちょっと寄ってみよう
オススメ!
 ←今だけ(2002年)手に入るオススメ“Twelfth Night”のCD!
 劇中にも使われていた古楽器での演奏、歌が入っています。なんかしっとり癒されます。下にもリンクをはってあるShakespeare's GlobeのHPからオンラインで購入することができます。

  Twelfth Night
  Music from the 400th
  Anniversary production
 Shakespeare's Globe is proud to announce the release of music from the 400th Anniversary Production of Twelfth Night, staged in January/February 2002 at Middle Temple Hall in London.

プップカプー

◆Shakespeare's Globeへのアクセス方法◆

標識に従って行くと辿り付きます
地下鉄 : Southwark(サザーク)駅、Mansion House(マンションハウス)駅、London Bridge(ロンドンブリッジ)駅
New Globe Walk, Bankside テート・モダンの近く、川沿いに歩いていたら到着できます。近くには歩行者専用ミレニアム・ブリッジもかかっています。
近くにはミレニアムブリッジもかかってます
サイトはこちら
Shakespeare's Globe
Shakespeare's Globe

公演スケジュールなどが行く前にチェックできます。チケット予約もできますよ!(ただし英語。)


※また思い出したら、書き足して行くかも※
katsuo3@yahoo.co.jp