ひとつ前に戻る。 | 8月分を見る。 | HOMEへ戻る。


>゚)))彡 カツオノオカシラ 9月 >゚)))彡


◆30日 『王は踊る』◆

 うわー、もう9月も終わりなわけで。なんだか異様に早く感じちゃったな。
んでもって、『王は終わる』じゃなくて、『王は踊る』。フランスのルイ何世だったっけ?忘れた。母親や、周りの大臣達に政治を握られちゃって幼い時から王は音楽と踊りの世界にのめり込む。で、お抱え音楽作曲家がそれに応えるべく翻弄され、でもひたすら王への“愛”というか“忠誠心”というか、尽くしちゃって…って話。
 んー、可も無く、不可も無く…って感想。激情が伝わってこないというか、ストーリー展開もなんだか単調。もうちょっと男色家の描写があってもよかったのに…ってそんなんばっかり観てるやん、ワシ。

 この場を借りて、のびたさん、合格本当にオメデトウ。


◆28日 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』◆

 どうしても観たい映画リストに入れていたので、新作ビデオにもかかわらず借りてきてしまいました。“ヘドウィグ”といっても、ハリー・ポッターのフクロウの名前じゃないですよ。あ、分かってた?飛行機の中で観た『完全犯罪クラブ』の男の子がライバル役(?)で出ていた、うん、たぶん、あの子だと思う。

 性転換手術に失敗して残ってしまった“怒りの1インチ(アングリーインチ)”を持つロック・スター、ヘドウィグの“カタワレ”探しの物語。う〜ん、退廃的。以前に観たデヴィット・ボウイをかたどった『Velvet Goldmine』ほど、頭の中が“グラムロック模様”でグニャグニャにならなかっただけストーリーはしっかりしてるということか。でも、最後はいまひとつどう理解して良いのか分からない。ところどころ回想シーン等で出てくるパラパラマンガみたいなチープなアニメーションがツボ。

 なにより、ヘドウィグが映画の中で歌っている『愛の起源』って歌がすごい良い。あんまり良いので、サントラ盤買っちゃおうかなという勢い。内容は、ずっとずっと昔、人間は2組の手足、神の頭部を模倣した2つの顔を持つ、2対の身体が背中合わせに一つになった生き物で、樽のように転がってた。男と男の生き物は“太陽の子”と呼ばれ、女と女の生き物は“地球の子”と呼ばれ、その間の男と女の生き物は“月の子”と呼ばれていた。その頃は“愛”という感情はなかった。しかしある日、神(ゼウス)は力をつけた人間達を恐れ、地上に稲妻を放ち、つながっていた人々の身体を2つに引き裂いた。そこでインドの神が引き裂かれた背中を縫い合わせ、お腹の真ん中にその縫い跡を残した。みせしめのためだ。そして人間は寂しい2本足の生き物となってしまう。以来、自分の失われた“カタワレ”を求めてさまよい、そして出会った時に芽生える感情、それが、「愛」なのだ…ってな話。それをヘドウィグが歌ってる間かわいらしいアニメーションで流れるのよねー。背中がつながった人間が動いてて…。…でも、これってプラトンの説なの?ワタシ、あんまり詳しくないんだけど。倫理取ってたくせに。でも素敵なお話じゃない?かつおさん、すごい気に入ってしまった。

 でもって、ワタシの“カタワレ”はどこをさまよっているんでしょうか?日本のどこかでワタシを待ってる人がいるって本当ですか?


◆26日 鬱るんです◆

何の前触れもなく、将来とかそういうものがどうでもよくなる。特に理由はない。
何の前触れもなく、ものすごく不安な気分に陥る。特に理由はない。
何の前触れもなく、「何もする気がしない病」になる。特に理由はない。
何の前触れもなく、集中力がなくなって、何も楽しくなくなる。特に理由はない。
頭は重いし、体はだるいまま。
“奇跡のかけらの指輪”(@FATHER / The Yellow Monkey)ばかり探してる。
何か「これさえあれば大丈夫!」という心の支えみたいなものが欲しい。
ワタシだけの神様が欲しい。


◆16日 ロンドンだよ、おっかさん◆

 忘れもしない大学卒業間近のSPルームにて、A姫と「働いて一年目くらいにお金貯まったら、お祝いにイギリスへ行こう」なんて口約束をしていたのがやっと叶った約5年越のこの歳月!「やっと来れたよロンドンに」とヒースロー空港に降り立った時は、正直まだそんな実感は湧いてなかった。飛行機が遅れたせいで入国審査ダダ混み。見慣れないアラブ系?の民族衣装にスッポリ身を包んだ人達が意外と多くてワタシはふとナブー星(@『スター・ウォーズ』)にでも来たのかと錯覚する。それにしてもワタシを混ぜてA姫もS嬢も、皆似たり寄ったりの“どんぐりの背比べ”ほどの身長しかない。大型人間(←外人)の間をチョロチョロと三人合わせてホビット族(@『ロード・オブ・ザ・リング』)にでもなった気分だ。
 DVDを英語字幕で観て喜んでいる場合ではない。ワタシの英語力は5年近くも経つとスッカリと地に落ちていて、A姫におんぶに抱っこ、頭の先からつま先まで、ゆりかごから墓場まで、お世話になることになってしまった。(こう見えてもワタシは現役時代でもアメリカのマク★ナルドで“Tea”と頼んで“Coke”が出てきた強者だ)そして、ドキドキの入国審査。「“サイト・シーイング”に“ファイブ・デイズ”にホテルは“メイフェア・フレミングス”…」と頭の中で呪文のように唱える。その他は、君聞きたもうことなかれ。ワタシのおぼこいこの顔が幸いしてか、「ファイブ・デイズ」と答えたら、むこうから「カンコー?」と聞いてきた。応用編はインストールされてないので一瞬、頭の中が「☆※□○×!?」となったが、助かった。バカ。とりあえず、安くで優しい外国人教師が英会話を訓練してくれる教室はないかしらん?と真剣に考える。

 とにかく、写真が出来てこないとニッチもサッチもどうにもブルドック〜♪写真さえ出来ればお土産話コーナーやLOMO WALLでも作りたいと考えている。なにせ36枚撮りが9本近くあるので、安さを追求して一本500円ポッキリの現像に出そうと思ったら今日はお店が休みだった。どんな写真が撮れているのかはかなり不安不安不安。
 イギリスでサイト・シーングしてきた所は、ウエストミンスター寺院、ビック・ベン、ピカデリーサーカス、ハロッズ、キングス・クロス駅、ハードロック・カフェ、オックスフォード、クライスト・チャーチ、コヴェントガーデンの劇場博物館、大英博物館、ロイズ・ビル、グローブ座『十二夜』、ストラットフォード、『ライオン・キング』、ウインザー城、イートン校男子見学…等々、シェイクスピア関連ツアーとハリポタ・ツアーとワタシのワガママで入れてもらったイエモンツアーがごちゃ混ぜ。詳しくはまた追々とお土産話コーナーででも。初日は寒い雨でロンドンに歓迎されるというとんだアクシデントもあった。

 それにしても気になるのは、行きの飛行機で一緒だった、シマシマロングスリーブのペアルック新婚夫婦。しかも靴は今回おろしたと思われる真っ白なスニーカー。しましまーんずよ、何を勘違いしてロンドンに来ているのかね。君達が行くべきところはハワイではなかろうか?(いや、決してハワイをバカにしているわけではない。イルカと泳ぎたいし、馬にも乗りたいし。)
 そして、ロンドンの携帯電話事情。メールはできるのだろうか?と地下鉄で観察していたらメールはできているらしい。英文で携帯メールを作成するのは至難の技ではないか?(経験済)なにか特別な略語や変換方法でもあるのだろうか?そして、ロンドンの携帯着メロは、携帯が出始めた頃を思い出させるほどとてもとてもシンプルだった。


◆6日 戦友◆

 恵まれたことにワタシには戦友がいっぱいいる。普通の「トモダチ」なんて言葉では表現が足りないような、特別な時間を共有した仲間。
 今パッと思い付くだけでも、今までやったバンドのメンバー、プリプリ追っかけ時代の時の人達、パルケ・エスパーニャでの住み込みバイトの時の人達、シェイクスピア・プロダクションの時の人達…もう年賀状すらやりとりしなくなった人もたくさんいるけど、ワタシの中ではいつまでもキラキラと輝くDiamondsになっている。むこうもワタシのことをそう思ってくれたりしたらいいな。
 そして、今回の司書講習で出会った人達もまたワタシの新たな戦友に加わりそうだ。毎日、軟禁状態で、修道院かはてまた囚人のように娯楽も無くただひたすら講義に通う日々。なんとなく会ったらしゃべるけど、それほど深入りもせず、名前と顔もなんとなく一致するようなしないような。後悔先に立たず、講習が終わってしまった今になって、こんなことならもっと早くから仲良くなっておけば良かったなんて思ってみたり。なんだ、みんな同じような境遇で、同じような意思を持って集まってたんじゃないか。しんどかった講習もこうして思い返せばなんだか楽しかったな。あんなに毎日教室で会っていた人達とも、もうよっぽどじゃないかぎり会うことはないんだろうなと思うと、反対に不思議に感じて寂しい。
 それにしても、皆が皆して、ワタシの年齢を聞いて驚いてた。みんなワタシより若いので「同じくらいだと思っていた」と。喜ぶべきことなのか、そんなにもオボコイのか。考えてみれば、ワタシが働き始めた23歳くらいでちょうどワタシの時間と記憶が止まったままなのかもしれない。
 それにつけてもそんな講習の最終日、打ち上げ飲み会もあるというのに、LOMOカメラを持っていくのを忘れちゃってるワタシなんて、まだまだココロに余裕がないのかな。チッ。

(c)katsuo3
シェイクスピアの小窓