◆28日 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』◆
どうしても観たい映画リストに入れていたので、新作ビデオにもかかわらず借りてきてしまいました。“ヘドウィグ”といっても、ハリー・ポッターのフクロウの名前じゃないですよ。あ、分かってた?飛行機の中で観た『完全犯罪クラブ』の男の子がライバル役(?)で出ていた、うん、たぶん、あの子だと思う。
性転換手術に失敗して残ってしまった“怒りの1インチ(アングリーインチ)”を持つロック・スター、ヘドウィグの“カタワレ”探しの物語。う〜ん、退廃的。以前に観たデヴィット・ボウイをかたどった『Velvet Goldmine』ほど、頭の中が“グラムロック模様”でグニャグニャにならなかっただけストーリーはしっかりしてるということか。でも、最後はいまひとつどう理解して良いのか分からない。ところどころ回想シーン等で出てくるパラパラマンガみたいなチープなアニメーションがツボ。
なにより、ヘドウィグが映画の中で歌っている『愛の起源』って歌がすごい良い。あんまり良いので、サントラ盤買っちゃおうかなという勢い。内容は、ずっとずっと昔、人間は2組の手足、神の頭部を模倣した2つの顔を持つ、2対の身体が背中合わせに一つになった生き物で、樽のように転がってた。男と男の生き物は“太陽の子”と呼ばれ、女と女の生き物は“地球の子”と呼ばれ、その間の男と女の生き物は“月の子”と呼ばれていた。その頃は“愛”という感情はなかった。しかしある日、神(ゼウス)は力をつけた人間達を恐れ、地上に稲妻を放ち、つながっていた人々の身体を2つに引き裂いた。そこでインドの神が引き裂かれた背中を縫い合わせ、お腹の真ん中にその縫い跡を残した。みせしめのためだ。そして人間は寂しい2本足の生き物となってしまう。以来、自分の失われた“カタワレ”を求めてさまよい、そして出会った時に芽生える感情、それが、「愛」なのだ…ってな話。それをヘドウィグが歌ってる間かわいらしいアニメーションで流れるのよねー。背中がつながった人間が動いてて…。…でも、これってプラトンの説なの?ワタシ、あんまり詳しくないんだけど。倫理取ってたくせに。でも素敵なお話じゃない?かつおさん、すごい気に入ってしまった。
でもって、ワタシの“カタワレ”はどこをさまよっているんでしょうか?日本のどこかでワタシを待ってる人がいるって本当ですか?