いい加減“新潮文庫”を読もうにも選ぶ本がなくなってきて困っています。守備範囲が狭いってことか? 今回はなんとか選んで北村薫著「ターン」を読んでみた。なかなかおもしろい話の設定だった。交通事故を境にどんな一日を過ごしても定刻が来ると一日前の自宅の部屋に戻ってしまうという設定。主人公だけが昨日に取り残されていることになるので、街には人はもちろん動くものひとつもいないし、物を動かしても「定刻」が来れば前日の状態に戻ってしまう。極端な話、お店の売り物を拝借してきても、時間が来ればそのお店に戻っているのでお金を払わなくてもいい状態なんだけれども、日が経たないのはなんともむなしい。遠くへ行こうにも時間が来れば自宅に戻ってしまう。むなしい。とにかくむなしい。 もちろんこれは本の中の特殊な状況なんだけれども、ふと、 「現実のワタシの毎日だって同じ繰り返しなんじゃないか?」 と思いついたとたん、取り返しがつかないくらいむなしさの感情がおおいかぶさってくる。同じような毎日を繰り返して、ワタシはどこに向かおうとしているのか? んがーーーー、日々の仕事も繰り返しでしんどいけれども、この前2日半あった出張で毎日会議室に閉じ込められて延々講義を聞かされるのも、睡魔との闘いで苦痛だったぞーーーーー。 んがーーーーー。今週は怒涛の残業ウィークだあぁぁぁぁぁぁーーーーー。乗り越えられる?(←この先、嫌なことが次々連想されてしまって思考停止、フリーズ。)
勢いで、同じく北村薫著「スキップ」も今読んでいます。こっちは17歳の女子高校生がある日目が覚めたら自分の25年後になっていた、という話。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」みたいもんです。でも「バック・トゥ〜」と違うところは、そのままの自分がタイムスリップして25年後に行くのではなくて、自分の体も25年後のおばさん体型になっていて、だんなも高校生の娘もいる状況になっていること。タイムスリップ話は「自分だったらどうするだろう?」と想像遊びができるので好きなんだけれども、これはあまりにも生々しくてコワイというかなんというか、読んでいても不安な気持ちになるので読み進めるのも億劫なくらい!考えてもみてよ、明日突然25年後の自分になってたらどーするよ?
|
|