バッサーニオ:「お金ならここに!」 シャイロック:「ワシはこの証文どおり、肉1ポンドを望む。」 アントーニオ:「えーい、もうどうとでもしてくれぃ!」 ポーシャ(変装中):「ちょっと、待ったぁーーー!」 |
◆ヴェニスの商人◆
※なんといっても「人肉裁判」シーンが有名だけども、若い恋人達のロマンス喜劇も忘れないで。
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親友の結婚のため、金の保証人になった男の悲劇。当時の貿易商は、船荷に全財産をつぎこんでいた。だから、あちこちで何隻もの船が難破すれば、破産する。金を借りていたのが、ふだんから犬猿の仲だったユダヤ人だったから、事が面倒になる。期日を過ぎたのだから法律違反、金ではなく担保のほうをよこせ。そのとき担保にしていたものは、なんと男の肉1ポンドだった。 | 『ヴェニスの商人』というと、ユダヤ人の金貸しシャイロックや法廷の場を思い浮かべる人が多いかもしれないが、タイトルからいくと主人公はヴェニスの商人アントーニオだし、有名な法廷の場での名裁きも作品の主筋ではない。とはいえ、シャイロックは歴代の名優が挑んできた魅力あふれる人物像。人権を訴えるセリフをはじめ、見どころ、聞かせどころは(登場頻度のわりには)ふんだん。 最初は金の箱だな、「われを選ぶものは衆人の求むるものを得べし」 その次は銀の箱だ、「われを選ぶものは分相応のものを得べし」 最後はつまらぬ鉛の箱だ、「われを選ぶものは所有するすべてを投げ打つべし」 ・・・さあ、あなたなら、どれを選びますか?
・主な登場人物 | ヴェニスの公爵 アントーニオ=ヴェニスの商人 バッサーニオ=アントーニオの友人で、ポーシャへの求婚者 ロレンゾー=ジェシカの恋人 シャイロック=金持ちのユダヤ人 ポーシャ=金持ちの女相続人 ネリッサ=ポーシャの侍女 ジェシカ=シャイロックの娘 ◎場面=ヴェニス、および、ポーシャ邸のある大陸のベルモント |