「馬をくれ、馬を! 馬のかわりに我が王国をくれてやる!」 リチャード三世最期の戦闘シーン。 |
こんなシーンは劇にはでてきませんが…。 幼い王子の兄弟二人が塔に幽閉され処刑されてしまいます…。 |
◆リチャード三世◆
※どこまで悪の限りをつくせるか、自ら悪の確信犯となり、イングランド王国の王位に就くが転落も早い。リチャード三世の死が、薔薇戦争の終止符ともなる。
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「心を決めたぞ、おれは悪党となって、この世のなかのむなしい楽しみを憎んでやる」というリチャードの悪党宣言から物語が始まる。イングランドでは、王が死ねばその長男が後継者となるのが習わし。王子が戴冠式のためにロンドンに戻ってくる。王の弟リチャードはこの状況で王位を奪おうとする。彼の理屈は、先王自身が父の子どもではなく自分こそが直系。そして、いまの王妃との結婚は重婚であり、王子も正当ではないとする。彼は臣下を筋書き通りに動かし、市民に直接訴え、一見民主的な方法で王位を手に入れる。あくまで「本意ではないが引き受ける」という態度で。 | 自分以外は全員敵。「おれが死んでもあわれむものは一人もいないだろう。いや、それも当然だ、このおれ自身、おれに対してあわれみを感じていないのだから。」と孤独感も感じさせる。人間万事塞翁が馬。 シェイクスピア劇の中のリチャード三世は醜男として描かれ演じられているが、実際のリチャード三世はシェイクスピアが描いたほど有能でも機知に富んでいたわけでもなく、勇敢でもなかったといわれる。また、美男とまではいかないにしろ、肉体的欠陥はなかったそう。書かれた当時から圧倒的な人気を誇り、シェイクスピアにとっては初の成功作ともいえる作品。
・主な登場人物 | エドワード四世 クラレンス公ジョージ=四世王の弟 グロスター公リチャード、のちにリチャード三世=四世王の弟 バッキンガム公 スタンリー卿=ダービー伯とも呼ばれる エリザベス=エドワード四世の妃 マーガレット=故ヘンリー六世の未亡人 ヨーク公爵夫人=エドワード四世の母 アン=ヘンリー六世の息子であるエドワードの未亡人、のちにリチャード三世の妃 オフィーリア=ポローニアスの娘 ◎場面=イングランド |